2013/12/27

No.109 年末BIG対談 KJ監督が総括する今年の銀ア (中編)



東海林「話を戻しましょう。今シーズン、監督として思い出深かった、もしくは意義深かったプレーなどはありますか?」


 プレーに関して、HASEのサヨナラホームランが印象深いのはもちろんだが、彼はもともと、凡打でも1塁まで全力疾走する選手だったし、私にとってはその心がけのほうが印象深い。逆に、打ち損じたからといって1塁へ走るのをやめてしまうようなプレーは、敵味方問わず見てて面白くない。



※ KJ監督が印象的なプレーに挙げたHASE選手の全力疾走。何気ないプレーが士気に大きく影響する。


東海林「HASE選手は今年の「ドラマチック賞」受賞選手ですが、そういった全力疾走などの積み重ねがあったからこそ、なおさらサヨナラホームランが引き立ちましたね」


 そのとおり。あと、運営面の話になるが、出欠確認係のYOSUKEが、試合のたびに出欠確認メールをチーム内に一括送信してから、各選手から返信がくるまでの時間を選手別に記録していた。これはすごく大事なことだ。



東海林「忘年会で、返信までの平均時間が短かった人に賞を与えて、逆に返信がずさんだった人を懺悔させてましたね」


 出欠確認は活動の根幹に関わることだから、あのくらいやって全然問題ない。忘年会では「性格悪い」「陰湿」「慰謝料払え」などのブーイングが噴出したが、そもそもああいった地道な分析作業というものは、熱心さや親切心がないと出来ない。

 私自身、一般的な打力と打順の関係(打力があるからクリーンナップだとか、打力がないから下位打線だとか)に昔から疑問をもっているので、自分なりにOPSを算出したり回帰分析をしてみたり、新たな指標をみつけるために色々と研究してみたが、これだと思うアイデアは得られなかった。それだけ新しい着眼点や、分析の切り口を見つけるのは難しいものだ。

 だからこそ、数値化しづらく、かつ根深かった出欠レスポンスの問題について、きっちり自分なりにデータをとって集計し、チーム内に知らしめたYOSUKEの行動はとても意義深い。
 出欠の返信が揃わないことが制約になって、試合がしたくてもできないことが去年は多々あった。来季は改善されてほしい。



※ 今季、出欠確認からオーダー作成までの一連の戦略立案業務を担当したYOSUKE選手。彼にとってこの1年は、いかに出欠を早くとりまとめるかという時間との戦い、つまり「ひとのときを思う」1年であった。忘年会では手錠とアイマスクをかけられ、完全無抵抗の状態にされてから壮絶な拷問を受けた。




東海林「監督自身、プレーヤーとしても全試合出場を果たしましたが」


 昨年は骨折もあり、満足に試合に出られなかったので、今年はできる範囲で目一杯プレーも楽しんだ。打撃に関しては、インパクトの瞬間に骨折した右腕が痛むので、思い切って左打席に転向してみたのだが、これはこれで面白かった。いままでと勝手が違うので三振は増えたが、毎打席が新鮮だった。

 守備に関しては課題がたくさんある。たとえば外野守備でフライが飛んでくると、打球の落下点が予測できない。もともと私は方向オンチなので、空間を認識する能力が欠けているのだと思う。とはいえ内野を守れば、右腕がまだ完全ではないので送球がおぼつかない。どこを守ればチームに迷惑をかけずにすむのか、近頃はさっぱりわからない。




※ 今年1月、左打ちの練習にいそしむKJ監督。骨折時に損傷した神経の影響で、昨年は右手の握力が10kg以下まで落ち込んだ。一時は男としての自信を失った彼だが、いまでは亜鉛のサプリメントを毎日飲み、精力向上に励んでいる



東海林「プレーヤーとしても課題がたくさんありますね」


 素振りやストレッチとか、できることを1日5分でも続けていきたい。何もせずに調子の良し悪しや偶然に左右される結果よりは、日頃の習慣の積み重ねに左右される結果のほうが、自分としても納得感がある。たぶん今年、思うように結果を出せなかった選手にとっては、来年は面白くなるはずだ。なぜなら努力するはずだから。

 別に素振りとはいわなくても、怪我防止のためにはストレッチとか、筋トレとか、なんらかの運動は習慣化しておいたほうがいい。一旦怪我をしてしまうと、色々なことを取り戻すことが相当な負担になるし、何より、加齢という敵には習慣で対抗するしかない。

 我々は積み重ねた習慣を「草野球」を通じてアウトプットする。だからグラウンドは、これからも我々にとって神聖な舞台であり続けるんだ。



東海林「ふーん」


 ファッ!?


(次回へ続く)



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